2016年06月24日 16:05
自らに喝を入れたようなタイトルのこの詩集。
この中の「落ちこぼれ」という詩を紹介します。
落ちこぼれ
和菓子の名につけたいようなやさしさ
落ちこぼれ
いまは自嘲や出来そこないの謂(いい)
落ちこぼれないための
ばかばかしくも切ない修業
落ちこぼれにこそ
魅力も風合いも薫るのに
落ちこぼれの実
いっぱい包容できるのが豊かな大地
それならお前が落ちこぼれろ
はい 女としてはとっくに落ちこぼれ
落ちこぼれずに旨げに成って
むざむざ食われてなるものか
落ちこぼれ
結果ではなく
落ちこぼれ
華々しい意志であれ
なんと勇ましい詩でしょうか。人を測る物差しの小ささや、ジェンダー的なものへの抗い、そんなものが込められているような気がします。
なのに「落ちこぼれ」「落ちこぼれ」と口にしているうちに、「落ちこぼれ」がなんだかコロンとしたかわいらしいお菓子みたいに思えてきました。これを和菓子にするなら、どんな素材で、どんな形で、どんな色で形作ろう…。頭の中で想像してみました。
小さくかわいらしいお菓子が出来ました。私の中で。小さくても意志のある形、色。そして口当たりはちょっと歯ごたえのある感じ。
せっかくなので、この詩集の表題作も紹介します。
「自分の感受性くらい」
ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか
苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし
初心消えかかるのを
暮しのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった
駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ
たしか中学か高校の教科書に載っていたので、ご存知の方も多いはず。
改めて読むと、叱咤されますね。心地よく。